最後の夏に見上げた空は2

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吉原がいい味出しすぎてる。 ここまでくるキャラだとは正直最初に出てきた段階で思わなかった。
つか読んでると軽くツンデレっぽいのだが、男でもそれは当てはまるのだろうか?
そんなどうでもいいことは置いておいて、実は3巻も読み終わった後にこれかいてるので混乱しちゃっても気にしないで下さい。 では。 イラストは置いておこう。というかだんだん雰囲気にマッチしてきていいと思い始めたのだがいかんせんカラーが(ry 短編連載なので一つずつ で、吉原なのだが、 やっぱいいですね。というか吉原も遺伝子強化兵なんだよな。そこの所の苦悩とかとりまきの薄汚さだとか、
細かい所ではべたなんだけど、それでも泣かせてくれるって言うのは大きいと思う。 梓の言葉も重かったけど、やっぱ小谷だね。 「人として生きたい」 誰にでも投げかけられる言葉であり、誰にでも投げかけられる可能性がある言葉だと思う。 「人として」、人が生きているという感情をどう捉えるか。 我慢して我慢して、それでも耐え抜いて生きることを生きているというのか。それを人間というのか。 正直これだけのテーマを受け止められるほどの器量は持っていませんが、感じ取ることは誰にでも出来ると思う。
我慢を美徳とするような日本人の文化から考えると、小谷のような人間がほとんどだと思う。 それでも、生きてると胸を張って生きるために小谷は言ったのだろう。 「人として生きたい」と。 エピローグ的なものが意外に長くて好感。 二つ目。 太一の過去篇。このまま3巻までの伏線となる。 いや、それはさ。いいけどさ。 やっぱり救いが無いのは読んでて辛いわ。そこで見逃すって言う選択肢は絶対にとっちゃ駄目だって。
絶対に教えたりしちゃだめだって。分かってるのに、それでも動いてしまう。一縷の希望に賭けてしまう。 そして賭けに負ける。 ほんとにかわいそうで、そして、大人のずるがしこさ。それを感じた。 希望を持っちゃけないと思いつつそれでもその希望にすがってしまうのは人間としての本能なのかもしれない。 三つ目。 姉登場。 この小説に出てくる大人で、まともな人間は桂木だけらしい。 姉も姉で。明らかにやばそうな男と組んでしまうあたり、よほどあせっていたんだと思う。
当然。時間は限られるのだから。 そして出てきた、完全なる悪人。理不尽な悪としての存在的には完全に成功してると思う。
インパクトは強いし、どこからどう見ても悪いやつという記号を与えられたにんげんとして役割はちゃんと果たせてたと思う。 最後の名門の一言は響きました。 「――許す」p323 これだけでどこまで心が揺さぶられたか。 全部まとめた感想は、 哀しいな。と。 死ぬために生きるという無駄な命。それを人間として生きるという言葉でなんとかできたらいいけですがね。 上の中の上。 期待以上にすばらしいです。絵師はカラーやら無くてもいいと思います。 ではまた。
2006/4/22
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